Return of the Obra Dinnゲームプレイ画面
こんにちは!ヘタの横好き系ゲーマーのぽぽんぬです。
今回はインディーゲームである「Return of the Obra Dinn(オブラディン号の帰還)」をプレイしたので、ネタバレなしの評価をしていきたいと思います。
Return of the Obra Dinn(オブラディン号の帰還)とは?
2018/10/18にPCでリリースされたインディーゲームです。開発したのは、Lucas Pope(ルーカス ポープ)氏。現在は、PC版の外にPS4、Nintendo Switch、Xbox Oneでプレイ可能です。

機種による違いはないみたいだよ。

ぽぽんぬはNintendo Switch版を遊んだらしいぞ。
海外向けだとパッケージ版もリリースされているみたいですが、2023/7/22時点、日本ではダウンロード専売になっています。
価格はPS4とNintendo Seitchは¥2,250、PC(STEAM)では¥2,300です。(2023/7/22現在)
ハードによる大きな価格差はないので、プレイしやすい機種でプレイするのが良いと思いますよ。
ちなみに、PC(STEAM)版ではサウンドトラック付きが¥2,820で購入可能です。
「Return of the Obra Dinn(オブラディン号の帰還)」がどんなゲームなのかは、↓のNintendo Directの動画が分かりやすいと思います。

手掛かりを探して死因と名前を当てるとか面白そうだよね!

この白黒の2色だけ(1 ビット)で表現されているのも珍しくて良いよな。
また、「死」が絡む作品なのもあって、CERO Dに設定されています。

白黒だからそこまで生々しさはないと思うけど、死の瞬間が描かれるからある程度のグロさはあるから注意してね。
あらすじ

Return of the Obra Dinn(オブラディン号の帰還)ゲーム画面
時は、1802年。200トン以上の交易品を積んだ商船「オブラ・ディン号」がロンドンから東方に向けて出港した。その6か月後、同船は予定されていた喜望峰への到達を果たさず、消息不明扱いとなった。
そして今日、1807年10月14日早朝のこと。オブラ・ディン号は突然、ファルマス港に姿を現す。帆は損傷し、船員の姿も見えない。これを受け、東インド会社ロンドン本社所属の保険調査官が、ただちにファルマス港に派遣された。同船内を直接調べ、損害査定書を作成するために――。

つまりプレイヤーは保険調査官になってオブラディン号に乗船していた人たちの消息を調べるんだね!

主人公はメメント・モーテムという懐中時計を使って、船に残された遺体から調査対象の死の瞬間を切り取ることでオブラディン号で起きたことを調べていくんだよ。
Return of the Obra Dinn(オブラディン号の帰還)の評価

Return of the Obra Dinn(オブラディン号の帰還)ゲーム画面
それでは、「Return of the Obra Dinn(オブラディン号の帰還)」をプレイした上での評価は↓になります。
ちなみにぽぽんぬの総プレイ時間は20時間弱でした。
難易度のところで後述しますが、人によってプレイ時間は大きく変わるかと思います。

ぽぽんぬのプレイ時間はおそらくかかりすぎだと思われるぞ。

間違いないね(笑)
シナリオ | |
キャラクター | |
システム /操作性 | |
難易度 | |
サウンド | |
総合評価 | |
ぽぽんぬ的おすすめ度 |
では次からそれぞれの項目の詳細を説明しますね。
シナリオ 4
「Return of the Obra Dinn(オブラディン号の帰還)」はRPGみたいに作中でシナリオが展開していくわけではありません。保険調査を経てプレイヤー自身が「こういうことがあったんだな」という風に出来事を組み立てていく必要があります。
正直に言うと、調査している段階では「?」となることが多く、オブラディン号で起こったことの時系列をつかみにくかったです。これはおそらく作中のキーアイテムである「メメント・モーテム」が「遡る」ものなので、それぞれの章で5→1というように本来の時間の流れに逆らった形で明らかになるからかな、と思います。
だから全てを明らかにした上で、改めて時系列順(1章から)に自分で振り返らないと、何も分からないまま終わるということになりかねないな、と思いました。
個人的には考察するのは割と好きなので、「こうかな?」とか考えながら自分でシナリオを組み立てていくのは楽しかったです。ただ、公式が「オブラディン号で起こった出来事はこれです!」と正解を提示してくれるわけではないので、けっこう好みが分かれる形式かなと思います。

作中で「この物語は君のものだ」的なことを言われるので、たぶんプレイヤーそれぞれの物語があって良いんだと思う。

プレイ後の考察サイト巡りも「なるほど」って思えることがたくさんあって楽しいね!
シナリオの良かったところ・気になったところ
「Return of the Obra Dinn(オブラディン号の帰還)」は”こういうことがあったんだよ”と文章で語られることもありません。だから最終的にオブラディン号で何が起こったのかは、プレイヤー自身が考察する必要があります。これは好みが分かれる点かな…と思います。とはいえ出来事の断片として”それぞれの瞬間”を視覚的に見ることはできるので、メモを取ったりこまめに手記を読み返したしすれば、何となく分かるようにはなっています。気になったところにもあるように、すごく余白があるゲームで作中で真実がはっきりと明言されることはないので、分からなかった部分を考察サイトなどに頼る必要があるかもしれません。私は、考察サイトを読み漁るのも含め好きだったので高めの評価にしました。
キャラクター 3.5
「Return of the Obra Dinn(オブラディン号の帰還)」においてキャラクターを評価するのは、少し難しいかなと思っていたのですが…切り取った場面で意外と人それぞれの個性ある行動を垣間見ることができます。

そしてそれが謎解きのヒントになってたりするよ。

その人の人間性が浮き彫りになってるよな。
「この人たちは仲が良いんだな」とか「この人は知れば知るほど、とんでもないクズだな」とか、たくさんの「死」を切り取っていくことで、オブラディン号に乗船した人たちの解像度が上がっていくのは、素直に面白いと思いました。

逆にただただ影が薄い人がいるのも面白いね。
ただこれも「シナリオ」の項目でした話と被るのですが、その人となりの解像度も結局はプレイヤーそれぞれの考察を拠り所にしたものになります。だからこの作品に「キャラクター性」を見いだせるかは、他のゲームよりも強くプレイヤーに委ねられている点は評価が分かれる気がします。

ぽぽんぬはニット帽を被った人の印象が強いらしいぞ。

ニット帽の人はインパクト抜群だったよ。
キャラクターの良かったところ・気になったところ
白黒だしシナリオありきのゲームではない点から、キャラクターに個性なんてないと思いがちですが、ゲームの内容が「顔と名前を一致させる」ことなので意外と個性はあります。…あるんですけどそれでも覚えられるのは「ニット帽」などめちゃくちゃ特徴のある一部だけで、ほとんどの人が「ええと…どなた…?」となってしまいます。
そういうゲームなので「分からない」というのが当たり前ではあるのですが、ゲームクリアして分かった後も「この人誰だっけ?」となってしまいます。
そういうゲームだからこそ面白いのは間違いないのですが、”愛着が湧きにくい”というのもあって普通よりの評価にしました。
システム/操作性 4.5

Return of the Obra Dinn(オブラディン号の帰還)ゲーム画面
「Return of the Obra Dinn(オブラディン号の帰還)」で個人的に1番評価したいのは、システムなのですよね。
この作品は、「メメント・モーテム」という懐中時計を用いて、船に残されていた遺体から「その遺体の死の瞬間を切り取る」ことで手掛かりを集めて身元や死因を明らかにしていきます。
↓のような感じで、対象の人物の名前や死因を選んで当てはめていく形式です。


Return of the Obra Dinn(オブラディン号の帰還)ゲーム画面
個人的にこのシステムがすごく楽しかったです。
「死」にまつわるゲームを楽しいと表現するのはどうかと思うのですが、ゲームだからこそ面白く感じられるシステムだと思いました。

他に類似のゲームがないか探す程度には気に入ったよ。
また、全てを白黒で表現するのも「過去」や「死」というイメージとの相性が良く、ゲーム世界の雰囲気の表現としてとても秀逸だと感じました。

Return of the Obra Dinn(オブラディン号の帰還)ゲーム画面

白と黒だけなのにすごく繊細に表現されている気がするね。
しかしその反面、白黒だからこそ見づらかったな、とも思うこともありました。
この作品は聴覚からの情報ももちろん大事なのですが、それ以上に視覚的な情報をどれだけ発見できるか、が重要かなと個人的に思ったのですが、白黒だからこそ「何が起こってるの?」とか「これは…何?」となる部分も多々ありました。

その結果、死因が分かりづらいなんてこともしばしば。
ただ、そういう難しさを差し引いても1 ビットで全てを表現したのは、とても良かったと思います。
それと作中で出来事を遡る時(新しく遺体を発見する時)に↓のような感じで白い煙を追いかけることになるのですが、思いの外くるくると回るので、これを真面目に追っていると3D酔いしました。

Return of the Obra Dinn(オブラディン号の帰還)ゲーム画面

ぽぽんぬは他のゲームだと3D酔いはあまりしない方らしいから、3D酔いしやすい人は特に要注意だね。
あとNintendo Switch版の話になりますが、操作性に特に不満点はなく快適にゲームを進めることができました。
操作自体に技術が必要なタイプのゲームではないので、ゲームの操作が苦手という人でも楽しんでプレイできると思います。

機種によって違いが出そうな操作性ではないから、どの機種でも快適にプレイできると思うよ。
システム/操作性の良かったところ・気になったところ
システム/操作性は全体的に好感触でした。遺体から”メメント・トーテムでその遺体の”死の瞬間に遡る”というのは本当に良かったと思います。そしてその死の瞬間でまた別の”事件”を発見する。それを繰り返していくことで、「オブラディン号で何が起こったのか」を解明していきます。止め時が分からず、いつまでも遊んでしまうくらいには面白かったです!ただ、1つだけ難点があり、”死の瞬間に遡る”時の演出がけっこうぐるぐる回るものだったので、画面酔いしやすかったので、酔いやすい人は要注意です。
画面酔いがけっこうきつかったのですがシステム/操作性は文句なしに面白かったのでかなり高めな評価になりました。
難易度 4
難易度の評価は「Return of the Obra Dinn(オブラディン号の帰還)」において1番「人による」部分が大きいのではと個人的には思っています。
この作品は何度も言っているようにオブラディン号に乗船した60人全員の名前や死因をはっきりさせることが目的なのですが、それを明らかにするための根拠は必ずどこかにあるのですよね。その根拠になるのは服装だったり、言動だったりさまざまです。
その根拠に気づけるか否かによって体感の難易度は大きく変わると思います。

必ずヒントはどこかに隠されているので、とにかく隅々まで調べることが大事だよ。

遺体だけに注目しがちだが、その時に居合わせた人達の行動や場所などしっかりと観察するんだぞ。

死亡した瞬間以外でその対象者がどんなことをしていたかも大切だよね。
私は、自力で全ての根拠となる要素を見つけることができず、Wikiのヒント(身元や死因特定の根拠をどこを見たら良いのかが分かります)に頼ってしまったので、難しかったなと思いました。
ただヒントさえ見たら、時間はかかったものの何とか自力で答えにたどり着けたので個人的には良いゲームバランスかなと思います。

察しが良い人なら10時間くらいでクリアできそうだな。

再プレイする時はヒントなしで自力でクリアしたいと思っているよ。
また、ヒントまではいかなくても攻略のコツくらいは知りたいという人もWikiにポイントが分かりやすくまとめられているので、参考にしてみてくださいね!
難易度の良かったところ・気になったところ
操作としての難易度で言えばシンプル操作なので簡単です。死因や名前を明らかにするための根拠が本当にいろいろありすぎて隅々まで確認しないとクリアできません。私は隅々まで確認したつもりだったのに、見落としばかりで答えにたどり着けないことが多かったので、難易度は高めに感じました。ただ、このゲームはwikiなどでヒントが公開されているのですが、それを見たらクリアすることができたので「投げ出したくなるような理不尽な難易度ではない」と思います。
個人的に“難しさ”と”面白さ”のバランスが良いと思ったので高めの評価になっています。
サウンド 4

ぽぽんぬはプレイ中ずっとメインテーマが頭で流れていたらしいぞ。

なんならこの評価を書いている今もメインテーマが頭で再生されているよ(笑)
すごく印象に残るメインテーマだったと思います。
メインテーマ以外の曲もゲームの雰囲気を損なうことなく、ゲームへの没入感を高めてくれるものばかりでした。
個人的にサウンドトラックを購入するほどではなかったものの、印象に残る曲が多かったのでとても好印象でした。
ただ、音による情報も重要なためだとは思うのですが、個人的に効果音はけっこう生々しい(殺害されている時の音が分かる)ように感じました。視覚情報は白黒なのでそこまででしたが、音はグロいなと思ったので、苦手な人は注意した方が良いかもしれません。
サウンドの良かったところ・気になったところ
サウンドは印象に残る曲が多かった印象です。特にメインテーマはリズムも含め頭の中に残りやすくしばらく脳内再生余裕でした。そして…これは必ずしも悪い点ではないのですが、効果音はけっこう生々しく感じました。ゲームが「死因を特定する」というもののため必要なSEだというのは分かるのですが、正直「うわぁ…」となることもありました。
ただ、SE音の生々しさは「このゲームには必要」ではあるので、BGMの音楽の良さも加味して高めの評価になっています。
総合評価 4
「Return of the Obra Dinn(オブラディン号の帰還)」の「シナリオ」「キャラクター」「システム/操作性」「難易度」「サウンド」の平均は4点でした。

全体的に好印象の良作ゲームだと思うよ。
ぽぽんぬ的おすすめ度 4
ぽぽんぬ的おすすめ度は 4です。
シナリオやキャラクターの理解を深めるために考察必須で、そこは好みが分かれるかな…と思います。ただこの作品は、自分の足で探索して情報を集めて推理して答えを導きだしていくという「推理もの」としての満足感はとても高いと個人的には思います。

というか推理物が好きな人は考察が好きな人が多いと思うから、特別デメリットではない気もするよ。
ただ、60人全員の死因ははっきりと分かるものの、「メメント・モーテムとは何なのか」など最後までプレイしても特に言及されず分からないままなところもあるので、全てはっきり分からないと嫌だという人は注意です。

そういう分からない部分を自分なりに考察するのもこのゲームの面白さなのかもしれないな。

だからこそ「この物語は君のもの」なんだろうね。
まとめ!結局どんな人におすすめ?
「Return of the Obra Dinn(オブラディン号の帰還)」がどんな人におすすめなのかをまとめてみました!
おすすめな人は?
・考察するゲームが好きな人
・”余白”のあるゲームが好きな人
・ミステリー系のゲームが好きな人
上記に当てはまる人は遊んでみる価値アリだと思います。
あまりおすすめしない人は?
逆に下記に当てはまる人にはお勧めしずらいゲームかな、と感じました。
・画面酔いしやすい人
・作中で白黒はっきりしないゲームが苦手な人
・考察系ゲームが苦手な人
ただ、おすすめしない人で当てはまるのが「画面酔いしやすい」という点だけの人は、それだけで嫌煙してしまうのはもったいないかな、と思います。それくらい楽しめるゲームでした!
過去に遡る演出の時だけ画面から目を逸らしつつ遊んでみるのも良いかもしれません。
特にあらすじや動画を見て「あ、好きそう!」と思った人は期待通りの満足度を得やすいゲームだと思うので、気になった人はぜひプレイしてみてくださいね!